リクナビ「エントリーあおり」の実態とは?
揺らぐ“就活サイトナンバーワン”ブランド
日本最大の新卒向け就職活動サイト「リクナビ」が揺れている。就活生に、大量の企業に「エントリー」するよう勧める機能が露骨で、「エントリーあおり」だと批判を集めているのだ。
2015年卒生向けの「リクナビ2015」では、数十~100社もの企業に一括エントリーできる「まとめてエントリー」ボタンを随所に配置。「内定獲得した先輩はもっとエントリーしています」とグラフを見せ、さらにエントリーを増やすよう促すなど、過剰なまでにエントリーを推奨している。
この“エントリーあおり”に、就活生もあきれ顔。ドワンゴの川上量生会長が「企業も学生も疲弊する」と名指しで批判するなど、新卒を採用する企業からの批判も起きている。
リクナビでエントリーを“あおる”背景には、何があるのか。運営するリクルートキャリアや、就活生、関係者への取材から探った。…
「100社一括エントリー」「内定獲得した先輩に追いつく!」
“エントリーあおり”の実態を調査するため、3月末にリクナビ2015に登録してみたところ、その一括エントリー推しの勢いに驚いた。「まとめてエントリー」ボタンが、あらゆるメニューに設置されているのだ。
最初に現れたのはユーザー登録の直後。氏名と大学名、連絡先を入力するとすぐに、「続いて、気になる業界の人気企業ランキングにまとめてエントリーして、就活をはじめよう!」と案内され、「食品」「広告」など業界名がランキング形式で表示される。業界名をクリックすると、数十社の社名がずらり。その上にでかでかと置かれた「送信」ボタンから、それらの企業にまとめてエントリーするよう案内される。
この画面をやり過ごし、リクナビトップページを表示してもなお、一括エントリーボタンはさまざまな場所で待ち構えている。たとえば、「あなたの行動・志向にあわせておすすめ100社をピックアップ」というメニューや、「あなたの同期が直近エントリーした企業一覧」「あなた向けのもれなくエントリーしておきたい企業特集」などで、それぞれ、100社前後に「まとめてエントリー」できるボタンが大きく配置されている。
しかし、まだ氏名と学校名しか登録していない段階で、「行動・志向にあわせた」お勧め100社が表示されるには驚いた。いったい、どんな行動・志向を見ているのだろうか……。
「CHECK【まもなく終了】エントリー締切間近の企業」「○○さんがエントリーしていない企業で締切間近の企業だけをピックアップ!【お急ぎください】」など、急いでエントリーするよう促すメニューも盛りだくさん。クリックするとこれまた100社単位で一括エントリーできるようになっている。…
「できるだけ広く企業研究を」とリクルートキャリア
…
学生に多数のエントリーを勧める機能には、「できるだけ広く企業研究をしてほしいという思いがある」と言う。「希望する企業だけに絞って就活すると、その企業の選考に落ちたらゼロに戻ってしまう。その間に他社の採用活動は進んでおり、より内定が取りにくい状態になる。就活の最初の段階で、いろんな企業が存在することを広く認識してもらい、エントリーしておいてほしいという意図がある」(中道本部長)。…
就活のWeb化で大量エントリーが増え、就職ミスマッチが増えたという指摘は否定する。…
人事担当者の評価に響く「エントリー数」
「多くの企業を研究してほしい」と言っても、一度に100社にエントリーできる機能を乱立させるのはやり過ぎではないだろうか。市場環境とリクナビのビジネスモデルを照らし合わせると、リクナビがエントリーを“あおらざるをえない”状況も見えてくる。
リクナビは、新卒採用企業から情報掲載料を受け取って収益を上げている。掲載費は基本料金だけで120万円。オプションを加えると200万~300万円と、費用は天井知らずだ。大金をかけて求人広告を掲載する企業は、多くの就活生に自社の採用情報を見てもらい、エントリーしてもらうことを期待する。エントリー数を保証したり、エントリーごとに課金しているわけでないが、エントリー数はリクナビの“商品力”を左右する重要なファクターだ。
実際、企業の採用担当者向けのPRサイトには、「100人規模のわが社に1089人からのエントリー。驚きました」「リクナビの確かな実績でエントリー数最大化」など、リクナビを使えばいかにエントリー数を稼げるかを強調。…
だが、今の市場環境で、学生のエントリー数を稼ぐのは簡単ではない。景気回復の影響もあり、ナビサイトへの登録社数は激増(「リクナビ2015」の2013年12月時点の登録社数は前年比26%増、「マイナビ2015」は前年比53%増)。1社当たりの採用予定数も増えている一方で、少子化の影響で新卒の学生数は横ばいから微減にとどまる。つまり、学生1人当たりのエントリー数を急拡大させないかぎり、1社当たりのエントリー数を横ばいに持ってくることすらできない。
新卒者という供給は拡大しないのに、需要が激増するという市場環境の中、リクナビが登録企業に対し、エントリー数という「掲載効果」を返すには、学生に大量にエントリーさせる「一括エントリー」を強調する必要があったのでは――そんなふうにも考えられる。
採用活動を行う人事担当者の社内評価が、エントリー数の多寡で決まるケースも少なくないという。本来は、採用した人材の働きぶりで評価するべきだが、結果が出るまで数年かかり、評価基準も難しい。一方で、エントリー数なら短期で結果が出、数字というわかりやすい指標で評価できるため。「エントリー数で判断して褒められる、出世するという構造があるかぎり、今後も事態は変わらないのでは」と、関係者は打ち明ける。
就活サイトを使うのは「負け組」?
ここ数年は、就活生・企業とも“就活ナビ離れ”が進んでいるといわれる。就活生のリクナビ登録率は例年100%に近く、下がってはいないのだが、その依存度は低下しているようだ。
今回、筆者が話を聞いた2012~14年卒生7人のうち5人が、「そもそもリクナビをほとんど使わなかった」と話していた。リクナビ経由でないと応募できない企業があるため、登録はするものの、就職先選びには使わなかったという。
彼らの就活ルートは、(1)大手や知っている企業だけを受ける、(2)アルバイト先のWeb企業などにそのまま就職、(3)先輩や同級生が受けた企業を受けた、(4)インターン先の企業にそのまま内定した――など。資料請求してエントリーし、面接を受ける――という“普通の就活”の枠から離れた採用形態が増えているようだ。
「本当に優秀な学生は就活サイトを使わずに、夏季インターンなどで青田買いされたり、学生時代のイベントなどでヘッドハンティングされていました。そうした事例をみていたので、就活サイト経由で就活する時点で、ある種“負け組”感があると思っていました」(13年卒・男)。…
揺らぐ「就活サイトナンバーワン」
学生を“指名買い”できるのは、都内を中心とした大手企業やトップ企業に限られており、都内の企業のインターンやアルバイトに参加できるのも、都内近郊の学生に限られるという側面もある。筆者が話を聞いたうち、「リクナビをほとんど使っていなかった」と答えたのは、都内の有名大学を出て、都内で就職した人だった。
「就活は“動く人”と“動かない人”で二極化している」と岡崎所長は指摘。リクナビの就職支援機能は「動かない、動けない人向けのお手伝い」だという。過剰なまでのエントリー推奨は、「動かない、動けない人」向けに設計されており、「動き方を知っていて、すでに動いている」人にとってはうっとうしく映っていた面もあるだろう。…
就活ナビサイトのあり方そのものが問われている中、リクナビは2015年版で初めて、ライバルのマイナビに掲載企業数で抜かれ、“就活サイトナンバーワン”の座も揺らぎつつある。安易なエントリー数稼ぎに走らず、就活を本当の意味で支援するサイトになれるか――あらためてその姿勢が問われている。…
全文はソースで:http://toyokeizai.net/articles/-/34995
このニュースに対するTwitterでの反応
データ集めだね。就活生をデータとしてしかみていない>リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? 揺らぐ“就活サイトナンバーワン”ブランド | オリジナル - 東洋経済オンライン http://t.co/KpmUDlkiyn @Toyokeizaiさんから
— 長澤秀行 (@naga8888) 2014, 4月 17
リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト http://t.co/xvYY00PQwJ #SmartNews 情報過多、情報≒広告の時代だけからね。引いて見ないと
— def74 (@def7423) 2014, 4月 17
煽りとは思わなかったが、転職サイトも似たようなものだった。正に余計なお世話 RT リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト http://t.co/9UFOkuhBuP
— ねこわらび (@felipteris) 2014, 4月 16
ナビサイトから自立した就活をしましょう! >氏名と学校名しか登録していない段階で、「行動・志向にあわせた」お勧め100社が表示されるには驚いた。いったい、どんな行動・志向を見ているのだろう/リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? http://t.co/drDWvWLGAx
— 大阪大学前リクルートセンター設立準備室長 (@handai_shukatsu) 2014, 4月 14
リクナビが大手から見放されたら、それこそ就活は変革期を迎えるだろうな。来年度からスケジュール変わるけど、倫理憲章をシカトしてる大手も多いし、果たしてどうなることやら。/ リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? http://t.co/rcLj13yEWB
— 意識の高い学士 (@midwhite) 2014, 4月 14
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— GoAraki (@Go_aLucky) 2014, 4月 15
リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? 揺らぐ“就活サイトナンバーワン”ブランド | オリジナル - 東洋経済オンライン - http://t.co/y2F0O9XPhe 一番最後は置いておいて、きいててやりすぎじゃないかと思ってた
— 小心者 (@syoushinmono518) 2014, 4月 15
リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? 揺らぐ“就活サイトナンバーワン”ブランド | オリジナル - 東洋経済オンライン http://t.co/Mxuzzy8gpb 土木系の会社オススメされた時はさすがに笑ったよね~(⌒▽⌒)♡
— りゅ (@luzakky) 2014, 4月 15
最後の就活サイト使うのは負け組って。確かにWEBサイトはあるのだから、自社に直接来てもらう(どのように理念とマッチされるかもあるが)ように人事部も考えるべき/リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? http://t.co/dKBzsQPD87
— 山本雄生 (@yuki_yamapod) 2014, 4月 15
エントリー数がKPIなんでしょうね。 /リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? 揺らぐ“就活サイトナンバーワン”ブランド 東洋経済オンライン http://t.co/T9uIOUOoDf
— 新田 良 (Ryo Nitta) (@2ten0) 2014, 4月 14
リクルートの一括エントリーの仕組みは本当に商売ベース、学生のためにならずです。リクナビ「エントリーあおり」の実態とは? 揺らぐ“就活サイトナンバーワン”ブランド | オリジナル - 東洋経済オンライン http://t.co/zOnZGooJOb @Toyokeizaiさんから
— 三崎雅明 (@Misaki_Masaaki) 2014, 4月 14
@yo_satsuki この辺の広告掲載料みたいなのヤバくてダイレクトメールとか顔面蒼白になるわ。 http://t.co/ykfO78uIQt http://t.co/7xhlargHTu
— けにごん (@kenigooon) 2014, 4月 14
このニュースの感想
>リクナビの就職支援機能は「動かない、動けない人向けのお手伝い」だという。過剰なまでのエントリー推奨は、「動かない、動けない人」向けに設計されており、
あーあ、こんなこと言っちゃって…w ソース元の途中にあるリクナビを使わなかった就活生の「今や大手ナビサイト経由で就活するには負け組」発言と合わせてリクナビを使って就活してる人がますます惨めで憐れになっちゃうじゃんww
ドワンゴの川上会長の発言を契機にこういう記事が最近になってボンボン出てくるということはこれまでのリクナビの唯我独尊っぷりに対し、みんな相当不満が溜まってたんでしょうね。大手ナビサイトの天下崩壊はもうすぐそこだと思います。
リクナビの大量エントリー煽り騒動に関しては無内定速報内でも何度か取り上げましたが、大量エントリーの裏側は大体予想していた通りでしたね。
【参考記事】無内定速報:なぜリクナビはこんなにも就活生を追い詰める?
>彼らの就活ルートは、(1)大手や知っている企業だけを受ける、(2)アルバイト先のWeb企業などにそのまま就職、(3)先輩や同級生が受けた企業を受けた、(4)インターン先の企業にそのまま内定した――など。
ホントこれ。これからの時代は原点回帰というか、昔のように自分で調べて応募して、という形になると思います。逆に自分から行動せず大手ナビサイトを使って受動的に就活する人はどんどん良い企業から離れていくと。
特に最近は大手企業でも積極的に就業体験をさせているし、インターンからの直接採用という形はメジャーになっていきそうな気がします(ベンチャーでは長期インターンからの直接採用がメインになりつつありますが)。
それが一番「とりあえずどこでもいいから入ったけど合わないから辞めますわ」みたいなミスマッチも防げると思うので。
大手ナビサイトは自分達が儲けるためにはマッチポンプでも何でもする武器商人ですからね。企業も学生もそういった社会に害悪な存在に振り回される時代は終わりを迎えつつあるのかもしれません。
1001: 以下、名無しにかわりまして無内定速報がお送りします 2014/01/01 01:23:45 ID:@nntsokuhou
コメント
コメント一覧 (15)
「低学歴でも大手に挑戦できるようにした」とか言われてるけど、低~中学歴が受けるような中小の倍率まで無駄にあげてる上に、実際大手挑戦しても奇跡レベルの可能性しかない
大抵高学歴は中小なんざ内定しても蹴るんだろうし、リクナビのやり方は実際就職しづらくしてるだけ
自分でできる人間からすればお節介
OpenESは手書き履歴書より文量が多いせいで志望動機を書く上では負担が増えるだけ。自己PR等は使いまわせるにしてもそもそもOpenESを活用してる企業が少ない
このサイト必要あるの?
ただ、企業、学生が就職支援サイトに甘えすぎている気もする。
採用システムが画一化されたからこそ、学生も企業も然るべき対策を立てなくてはいけない。
いったい、それを出来ている企業、学生はどれだけある(いる)のだろうか?
就職支援サイトはあくまで「支援」しか出来ないのですよ・・・。
支援サイト使わないとまともに就活できない仕組みにされてるから問題視されているわけで
回し者ですかね?
別に支援サイトを擁護している訳じゃないからね。
こんな(支援サイト使わないとまともに就活できない)現状になったのは、企業学生側にも問題があるんじゃないの?と言いたいだけ。
企業は支援サイトという安易な統一広告媒体が出来たからこそ、+αで新しい対策を立てなくちゃいけない。
でも、実際は従来の選考方法に支援サイトを組み込んだだけの企業が大半でしょ?
学生だって、必然ライバルが増えるんだから、その分対策を立てなくちゃいけない。
でも、支援サイトで業界研究が楽(マシ)になった結果、浮いた時間を遊びとかに使っている奴が大半でしょ?
支援サイトをスケープゴートにして、お前ら自分の無能を棚に上げているんじゃないの?
と俺は感じたんだよ。
就活生が日本を悪くしていっている
就活生が日本を悪くしていっている
これはねーだろwww話盛り過ぎ
リクナビ使わなかったらほとんどの大手は受けることができねーぞ
エントリーも企業のホームページからだけにすればいいのに、みんなが見る就活サイトを経由するからパンクする
就活サイトって何のためにあるの?
リクナビ使って大手受かるような奴らなんて就活生の何千人に一人だろ
学生集めるだけ集めてオーディション並に倍率あげるサイトなんか無理に使う必要ないし
大手を受けるためにはリクナビ必須!布教思想乙です、リクナビの社員ww
リクナビ経由というライバルが多数いる市場でたいした差別化も出来ない
学生がどうあがいたって思うように内定は貰えないわな
リクナビの問題点を指摘するレポートの1つでも持参して
直接総務なりに採用担当を紹介して下さいって訪問すれば
まず間違いなく内定決まるだろ
最近の学生はアリと一緒で間違った道だろうが前を歩いている人についていくだけ
ハゲ就活生諸君よ、お前達は大企業の人事、リクルート社、ベンチャーの社長
いろんな人間から見下されているという事をもう少し自覚したまえ
見下されているなりに巧みなアプローチをする就活生は評価されるのが現実。
ただしお堅い大企業は上記のような変化球を嫌う傾向がある。
だから学生は使わざるをえない。
オレはリクナビとかなかった時代の頃の就職活動が良いわ。
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